学生の頃試験のために否応なく覚えた唄も、年をとった
いまごろになるとじわっとしみいるもんがぎょうさん
あるもんです。
東風吹かば匂い起こせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ
菅原道真
なんやものがなしいのと梅の香りがあいまって今の季節に
ぴったりでええ感じ。...そやかてちょっと残念なことに
「な~そ」は「~してくれるな」という意味を忘れるな!と、
おっかない古典の先生の顔がこびりついてはります。
その道真公がまつられる北野天満宮は京都でも梅の名所で
今頃たぶん、最後の見ごろをむかえてはります。
境内には牛の像がたくさんおって悪いとこをなでると治る
らしゅうて、学生さんが合格祈願に頭をなでていきます。
そん中に一頭だけ目の赤い牛がおって、なんでも24時間
お願いをきいてくれはるそうです。
もう受験の繁忙期も過ぎた頃と思いますが、せちがない
人間のお願いをきくのにいくら忙しゅうてせわしなくても
春な忘れそ。