秋はもの思いにいとよろし。
ふだん何気に見過ごす事でも、せっかくなんだしあえて静かに向き合ってみる。
それも秋の醍醐味かも。
京都三条にあるイノダコーヒー。
「そういえば、ショーウィンドウに大きな船を飾っているのはどうしてだろう?」
あらためてその疑問を目の前に置くと、疑問に感じていた自分にも気付かなかったことに気付き、秋のおかげで気持ちに余裕のない自分の姿をやっと知る。
前と後ろの甲板に詰まれたミニチュアの麻袋の中身はおそらくコーヒー豆であろうことは推測される。しかしながら
『コーヒー屋だからコーヒー豆を輸入している船を飾ってます。』
にしてはあまりに模型が大きすぎる。きっともっと素敵なエピソードがあるはず。
もしも、もっと強くそのことを疑問と見据えていたなら、ショーウィンドーに近づいてみたはず。さすればなにかしら説明があるかもしれないのだが。
よし、じゃあ...と、ついいつもの癖が出そうになるのを抑える。
「いかん、いかん。こいつは秋のもの思いの天敵だ!」
そう思い、ひとつ、秋にもの思うときのきまりを作ってみる。
『インターネットで調べない。』
じゃあどうして調べる?図書館?
京都本コーナーにいくと「京都のカフェの歴史全集」。そんな都合の良い本があるものだろうか?どこかの情報誌から依頼されたライターのふりをして店長にインタビューを申し込むのか?
なんだか突然あたふたする。ああなんだかとても恐ろしい。
こんなにも世界がインターネットに呑み込まれていたとは!
だれかの陰謀?
宇宙人!!
いつしか秋のもの思いはSFの様相を見せ、静かにもの思う領域を超えたのでこの辺りでおしまい。
もの思いもなかなかむつかしいものである。
10月1日はコーヒーの日。その理由は・・・
せっかくなんだし、もの思いの種にしてみてはいかが?
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